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2012.12.26

改正高年齢雇用安定法は、ますますおばちゃんを強くする?!

 来年4月から「高年齢雇用安定法」が改正されます。

これまでは「60歳の定年後もまだ働きたい」と従業員さんが希望した場合、労使協定の選定基準に合致した人だけを継続雇用の対象とすることができたのに対し、来年4月1日からは「希望者全員を65歳まで雇用する」ことが義務づけられます。

 就業規則に定める解雇事由または退職事由に該当する場合はこの対象から除かれますが、これまでのように、「このような条件の人だけ継続雇用する」ということはできなくなりました。

 なぜ、このような改正がなされたのか・・・

「無年金・無収入」となる人が出ないようにするためです 

今、老齢厚生年金をもらっている人は60歳以前からもらっている人です。

ところが年金制度改革により、段階的に支給開始年齢が引き上げられ、例えば昭和36年4月2日生まれ以降の男性は65歳からしか年金がもらえなくなります。

「給与も年金もなかったら、その間、どないして生活するの??」ということです。

 「年金をもらえる時期がだんだんと遅くなるため、その間生活ができるように年金がもらえるようになるまでは、希望者全員を会社で雇ってくださいね」というのが改正の趣旨です。 

 ですので、来年4月時点で、希望者全員をいっぺんに65歳まで継続雇用制度の対象としなければならないかというと、そうではありません。
 厚生年金(報酬比比例部分)の受給開始年齢は61歳、62歳・・・と段階的に以降するため、
2013年3月31日までに継続雇用の選定基準を労使協定で設けている場合
厚生年金(報酬比比例部分)の受給開始年齢に到達した以降の人を対象に、この基準を引き続き利用できる12年間の経過措置が設けられています。

 つまり、年金が支給されるまでの間は、希望者全員を継続雇用する義務が生じますが、年金を支給される年齢に達すれば、これまで通り選定基準に合致した対象者だけを継続雇用の対象にすることも可能ということです。 

この経過措置を適用できる人は、生年月日によって以下のように定められています。

生年月日による区分 基準可能連例
昭和28年4月2日から昭和30年4月1日までに生まれた者 61歳
昭和30年4月2日から昭和32年4月1日までに生まれた者 62歳
昭和32年4月2日から昭和34年4月1日までに生まれた者 63歳
昭和34年4月2日から昭和36年4月1日までに生まれた者 64歳

 この経過措置の対象年齢は「男性」の年金(報酬比例部分)の支給開始年齢の引上げスケジュールに合わせています。

 そうです。上の表は男性」」の厚生年金の受給開始年齢です。

 実は女性の受給開始年齢は男性よりも早いのです。

 例えば、私は昭和37年10月生まれですが、63歳から厚生年金(報酬比比例部分)が貰えることになっています。

 ところが同じ誕生日であっても、男性は65歳からしか年金を受給することはできません。

 これはその昔、年金の受給開始年齢が女性は55歳から、男性は60歳からだったことの名残なのですが、このように年金の支給開始年齢の引上げスケジュールは男女で異なっているため、この経過措置の対象年齢も男女で異なる取り扱いができるのか否かが問題となります。

答えは、ズバリ「均等法に抵触するため男女で異なる取り扱いはできない」です。

 

私と同い年(昭和37年10月生まれ)の女性の例ですと、63歳から年金をもらえるのにもかかわらず、65歳まで継続雇用しなければならなりません。

 法の趣旨から考えると、年金をもらえないから継続雇用義務が生じるのに、女性の場合は年金をもらえる人でも本人が継続雇用を希望すれば再雇用しなければならないケースが出てくるということです。

ん~・・・・・・・?!

なんかしっくりきませんが、「労働者が女性であることを理由として男性と異なる取扱いをすることは、男女雇用機会均等法に抵触する」ため、仕方がないのです。

 

 私も含め、世の中のおばちゃんはどんどん強くなっていきますが、「改正高年齢雇用安定法」までもがおばちゃんの味方です。

 

 そもそも、なぜ昔は年金の支給開始年齢が女性は55歳で男性は60歳からだったのかというと・・・

 均等法なんて法律がなかった時代、男性は60女性55歳定年など、女性の定年年齢が男性より低かったことが大きな理由です。

 そんな背景を引きずり、昭和4141日までに生まれた女性は、男性より早く年金がもらえることになっています。

 女性の方が早く年金もらえるし、平均寿命も長いし・・・

 おまけに歳とるとド厚かましくなるしぃ~・・・

 女性は男性よりお得です!!

 法律も味方して・・・「おばちゃん、どこまでも強くなるがな・・・・
 女に生れてよかったぁ~\(^o^)/」と、今回の改正をきっかけに、改めて感じた次第でおますぅ~。

社会保険労務士 繁笑事務所

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